江戸の富くじは今の宝くじと同じ?『大江戸の娯楽裏事情』を読む前の歴史整理
※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。
『江戸時代にも宝くじがあった』という話を聞くと、今の券売り場を昔の町に置き換えたくなります。でも、富くじという言葉の周りには寺社、寄進、幕府の許可がありました。今の抽せん券と同じ制度として眺めると、その面白さを取りこぼします。
宝くじ公式サイトは、箕面山瀧安寺の富会と、後の江戸の御免富を分けて説明しています。朝日新聞出版の『大江戸の娯楽裏事情』は、第一章で富興行を扱う新書。歴史に入るなら、この二つを行き来しながら、何がいつ変わったかを見るのがよさそうです。
ここでは『昔も当たれば一攫千金だった』だけで終えません。制度の違いを確かめ、本を読む時の問いを三つに絞ります。
最初の富会は、今の現金賞金を想像しない
宝くじ公式サイトは、日本の富くじの起源として箕面山瀧安寺の富会を紹介します。参詣者が木札に名前を書き、選ばれた人にはお守りが授けられたという説明です。最初から現在のような金額や券種があったわけではありません。
『大江戸の娯楽裏事情』は第一章を江戸の宝くじと富興行に割いています。本を開く前に、この始まりを知っておくと、寺社の行事と後の金銭を伴う富くじを一つの姿に塗りつぶさずに済みます。
歴史を読む時、つい『今のお金ならいくら』と換算したくなります。しかし当時の価値を一つの数字で置き換えるのは簡単ではありません。まず何が景品で、誰が関わり、どんな場所で行われたかを追う方が確かです。
現代の宝くじを買うかどうかの判断に、江戸の富会の由来を利用しない。これは制度の歴史を知るための読み物です。
富興行を扱う第一章のある『大江戸の娯楽裏事情』を楽天で確認する
御免富では、誰に許されたかを見る
時代が進むと、富くじは金銭とも結びつきます。宝くじ公式サイトによれば、幕府は一度禁令を出し、その後、寺社には修復費用を調達する方法として発売を認めました。これが『御免富』です。『江戸では誰でも自由に売れた』とは言えません。
本の第一章を読む時は、『くじの仕組み』だけでなく『寺社にとって何の資金だったか』に線を引いてみる。娯楽と資金調達が同じ場にあるところに、現代との距離が見えます。
『大江戸の娯楽裏事情』は富くじだけの専門書ではなく、祭りや寄席など江戸の娯楽全体を扱います。富興行を都市の楽しみの一部として読みたい人には合う一方、制度史を細部まで調べたい人は、宝くじ公式の歴史や研究資料も併せて見た方がよいでしょう。
当時の許可の範囲を読むことと、現代の販売制度を語ることは別です。ここを分けると、歴史を現在の買い方の根拠に誤用せずに済みます。
今の宝くじと結ぶ時は、途中の空白も見る
宝くじ公式サイトは、御免富が天保の改革で禁止され、その後も長い間、日本で富くじが発売されなかったと説明しています。名前が似た制度を一直線につなぐより、この空白を意識する方が歴史は正確になります。
『大江戸の娯楽裏事情』の富興行の章を読んだ後、今の宝くじの公式沿革をたどれば、誰が発売し、何のための資金として語られたかの違いが見えてきます。紙のくじを買う行為だけを同じものとして比べない。
この新書は朝日新聞出版の案内で224ページ、ISBN 9784022951816です。楽天で選ぶなら、同一ISBNか、紙の本か電子版かを照合します。富くじの章だけを目当てに買うなら、書店や図書館で目次と分量を先に確かめる方法もあります。
『昔から人は夢を買った』で締めるのは簡単です。でも、その夢がどう運営され、何を支えたかまで見ると、今の宝くじを別の目で眺められます。
コメント